フィラリア予防 | ナチュラル動物病院

毎年4月になったら、フィラリア予防開始の血液検査のため、ナチュラル動物病院へ御来院ください。
地域によって予防期間は異なりますが、大阪では、できたら4月から、遅くとも5月から12月末までの投与をお勧めてしています。

蚊は冬を越す昆虫なので、冬場でも蚊を見かける環境にお住みの場合は、年中の投薬をお勧めします。

フィラリアは、蚊が媒介するので、蚊のいる季節だけ、予防が必要です。
しかし、蚊は思ったより早い季節から出現し、寒くなってからも、お外を飛び回っています。

大阪では、4月末頃から蚊が出現し、12月初旬くらいまでいると言われています。

フィラリアの予防は、蚊が出現してから、毎月一回お薬を飲ませます。
蚊がいなくなる12月になってから、最後に一回飲ませます。
昨年度のフィラリア予防シーズンを経験しているわんちゃんは、予防開始前に血液検査が必要です。

フィラリアの予防薬は、ワクチンとは違い、駆虫薬です。
すなわち、わんちゃんが蚊に刺されてフィラリアに感染したとしても、フィラリアの予防薬を飲ませることによって、その虫を殺し、予防します。
お薬を飲ませるまでの1ヶ月間に感染したフィラリアの子虫を殺すお薬なのです。

フィラリアのライフサークル

フィラリアとは、心臓に寄生する寄生虫です。
ほとんどの野良犬さんは、今でも、フィラリアを体の中に持っています。
そういった、フィラリアを持っているわんちゃんの血を吸った蚊が、他のわんちゃんの血を吸うと、血を吸う代わりにフィラリアの小虫をわんちゃんの体の中に入れてしまいます。

わんちゃんの体の中に入ったフィラリアの小虫は、しばらくの間、血液に乗って体中を回りますが、3ヶ月ほどすると、心臓にたどり着き、体に入ってから6ヶ月程度で、成虫になります。

成虫になったフィラリアは、体長20～30センチもある、冷麦みたいな体つきをしています。
心臓は、体中に血液を送り込むポンプの役割をしているのですが、そんな30センチもあるひも状の異物が、ポンプの中にあって、良いわけがありません。
体の小さい子だと、1匹寄生するだけでも、命を落とすことがあります。

フィラリア症の症状は、心不全の症状と似ています。
最初に現れる症状は、咳です。
そのほか、食欲不振、呼吸困難、体の浮腫（お腹が膨らんできたり、手足がむくんできたり）、血尿などが見られます。

フィラリアに感染したからと言って、簡単に駆虫することもできません。
お腹の寄生虫なら、駆虫薬を使って、虫の死体を便と一緒に出してしまえばおしまいなのですが、フィラリアは、心臓の中にいるため、死体の行き場所がありません。

かわいいわんちゃんの体の中に、気持ちの悪い虫がうようよいることを想像するだけでも、予防したくなると思います。

堺市中区の動物病院です。夜21時まで診察しています。